昨日テレビでユニクロについてやっているのを見ましたが、断面が丸い糸と星型の糸を両方使っており、そのため隙間がたくさんできて、保温、保湿するそうです。顕微鏡写真で糸の断面がほんとうにきれいな星型だったのはすごかった。安い服でありながら、技術開発はそうとう金と時間をかけてやっていますね。東レとの共同開発で、その結果、東レの工場にはユニクロ専用のラインを作ってフル稼働させていますがそれでも生産が追いつかないようです。それにしても、服を売る会社でデザインに金をかけるのは普通でしょうが、素材の研究開発にあんなに金と時間をかける会社はほかにあるのでしょうか? (金はいくらかかったか知りませんが、開発には4年かかったそうです)
ユニクロの社長は、「いい企業はトップダウンもボトムアップも両方強力だ」と言っていました。普通、製品開発はトップダウン、技術・要素開発はボトムアップの傾向がそれぞれ強いと思いますが、問題は両者のスピード感がそもそも違うことです。製品開発は、そのときのマーケットの要求に合わせて企画され、早く行わないとマーケットは次の場所に行ってしまいますが、技術・要素開発は時間がかかるので、そのときにほしい技術があるかどうかはわかりません。現にユニクロの場合、フリースの次にこういうものがほしいと思ってもなかったので開発を開始し、物になるのに4年かかっています。その間は大きなヒットがなく、Tシャツの展開などでどうにかキープしてきた、ということでしょう。
一方、多くの日本企業は、ボトムアップの技術・要素開発は強いが、トップダウンの製品開発・企画が弱いので、ヒット商品が生まれない、という傾向があります。唯一といっていい例外がソニーだったのですが、現在はうまく機能していないようです。
あれ、なんだか脱線してしまいました。この話は改めてすることにしましょう。