従来からワイドショー番組についてはいろいろ批判されてきましたが、最近のテレビ番組でひどいのは報道番組です。報道について大切なのは、いろいろなことに対して中立であることだと私は思っていますが、反して報道番組がワイドショーの手法を取り入れ、ある特定の立場に立って一方的な意見をあおるような番組内容が非常に多くなりました。それがすごく不快なので、報道については民放はほとんど見なくなり、見るのはNHKかテレビ東京(ワイドショーがなく、報道は経済中心でわりと中立的)になってしまいました。
エコや地球温暖化というアジテーションの裏にビッグビジネスがあるのは明らかで、ロハスなどということばとビジネスの関係ももはや有名になりました。地球にやさしい、ということばも、そういう偽善的な物言いをせず、人間である自分が生き延びたいのだ、とはっきりいうことが大事です。そこを出発点にして冷静に議論することが必要です。
例えば、使用済みペットボトルを中国に売ると50円もらえ、分解するのに400円かかるそうですが、そうだとすると、400円かけて分解する意味はどこに見出すのでしょうか。石油資源がもったいないからでしょうか。ならばそもそもペットボトルを使わない、というのも選択肢でしょう。私は紙パックとペットボトルの飲料があったら、紙パックのものを選ぶようにしています。また、ペットボトルを潰さずに回収し、洗浄して製品に再利用する、という方法もあります。私が子供のころ、ジュースはみんなガラス瓶で、有料で回収され再利用されていましたから、ペットボトルの文字通りの再利用も突飛なアイデアではありません。このように活動にはいろいろな方向があってしかるべきだと思いますが、日本では誰かが言ったひとつの方向にみんなが向かってしまうのが問題です。そしてそれをビッグビジネスに狙われてしまう。ビジネスによって民間のお金が回るだけなら、それはそれであり、という意見もあるでしょうが、知っておかねばならないのは、それを主導しているのが行政であるため、そのビジネスに対して税金が使われているということです。
結局、エコだ温暖化だ、という前に大切なことは、資源を無駄使いしない、ということです。アメリカという国は浪費の国だと一般には思われているようですが、10年ほど前アメリカに住んで驚いたのは、文房具店にいくと日本にあるような色とりどりのかわいいものはほとんどなく、一方でボールペンの芯のみが豊富な品揃えで売られていたことです。アメリカでは子供のころから独立して生活しますので、学生は当然お金がなく、身なりはTシャツ、トレーナーにジーパンがほとんどです。キャンパスで日本のようにブランド物を持った女子学生を見ることはほとんどありません。
本当に価値のあることは何なのか、本当に大事なことは何なのか、をムードに流されるのではなく、自分で考えて、自分なりの行動をする、ということが大事なのだと思います。
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