ということで、ここでは今回の再発からは外れている、1stアルバムから4thアルバムのお話をしましょう。
シカゴで結成されたロックバンド、スティクスは1972年に1stアルバムのリリースにこぎつけますが、74年までにリリースした計4枚のアルバムは、マイナーレーベルのウッデンニッケルレコード(Wooden Nickel Records)からのものです。この間、ひょんなことから2ndアルバム収録の「Lady」という曲が(3rd、4thアルバム発売後にもかかわらず)全米6位のヒットとなり、それとともに2ndアルバムがゴールドディスク(売上50万枚以上)を達成し、これにより大手A&Mレコードと契約します。そして5thアルバム「Equinox」をリリース後、ポップな感覚を得意とするトミー・ショウが加入することによって、成功への舞台が整うのです。
スティクスが一般的に持たれているアメリカンプログレというイメージは、このマイナーレーベル時にすでに確立しており、「Lady」という大ヒット曲も生んでいることから、この初期4枚は決して無視できないアルバムたちなのですが、うれしいことにこれらをいっぺんに楽しめるのがこのCDです:
The Complete Wooden Nickel Recordings | |
![]() | Styx Polydor 2005-02-15 売り上げランキング : 24579 おすすめ平均 ![]() Amazonで詳しく見る by G-Tools |
これは文字通りウッデンニッケル所属時の4枚のアルバムが全曲リマスターされ2枚組に収められて2005年に発売されたCDです。さらにアルバム未収録でシングルのB面に収められていた「Unfinished Song」という曲がボーナストラックとして収録されています。こういうCDこそ、すばらしい仕事として称えられるべきだと思います。
それにしても今回の再発はひどい。もともとA&Mのアーティストのリイシューはなかなか進んでいないのが実情ですが、スーパートランプ(A&M所属)でさえリマスター再発されたというのに(スーパートランプも大好きなのでこれはこれでいいのですが)、どういうことなのでしょうか? 怒りがおさまらないので、この件についてはまた別途書きたいと思います。