2009年01月19日

「そうだったのか!現代史」 池上彰 著 集英社文庫 2007年3月発行

そうだったのか!現代史 (集英社文庫)
そうだったのか!現代史 (集英社文庫)池上 彰

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NHK週刊こどもニュースで一躍有名になった元NHKの記者・キャスターだった池上彰氏が、第二次大戦後の現代史について、18のトピックを取り上げ、やさしく解説した本。

ここ数十年、学校教育では現代史についてほとんど教えていないと思う。また、自ら学ぼうとする者に対しても、適したテキストはなかなか見当たらない。その意味では、この本の重要性はいくら強調してもしすぎることはない。高校生は、受験が終わったら即この本を読むべきだ。そして私の経験からいうと、いっぱしの社会人でも、この本に書かれた内容を全て知っている人は本当に少ないと思う。つまり、みんな読むべし、ということになる。

物事をわかりやすく語るということを、簡単だと思っている人たちが、世間にはあまりにも多すぎる。私は単なるエンジニアだが、技術の継承という問題を通じて、個人的にこの問題について考えてきた。万能な方法はなかなかないのだが、あえて重要なポイントを挙げるとすれば、二点が挙げられる:
 1) 専門用語を "天下り" で使わない
情報の天下りについて以前述べた。数学の公式は自分で証明しなければ使ってはいけないのと同様、専門用語もその単純な意味だけでなく、成立ちや変遷について知っていなければいけない。ASEANが何の略か答えられても、理解とは程遠い。
 2) 物語を知る
1)にも通じるのだが、結局理解することとは、その事柄についての物語を知ることなのではないかと思う。その事柄が成立するまで、どのような人が、どのような意見により、どのような行動を起こしたことによって、何が起こり、それが次の何を引き起こした結果、現在のこの事柄が存在している、というようなことである。それらの因果関係がすなわち物語である。そこにははっきりした意味や理由は見出せず単なる偶然が関与したかもしれない。しかしいずれにせよいろいろな事象が変遷した結果としての現在の事柄がある。その流れを知ることが、理解ということの大きな部分を占めると思う。

そういった意味では、この本は100点である(僭越ながら)。著者は、例えば現在のある体制について、過去どの国がどういうことを考えてこういう行動を起こし、その結果別の国が、というように、時系列でその時に起こったことを語ってくれている。ベトナム戦争の項など、読み終わって、一本の映画を見終わったかのような感覚に襲われた。

この本は2000年に単行本として出版されたが、加筆され文庫本として2007年に出版されたものである。シリーズ化されており、現在、他に文庫本2冊、単行本4冊がある。
著者がNHKをやめたのは、著作業に重点を置くためだという。ぜひ引き続き我々の理解への助けとなっていただけることを願う。
そうだったのか!現代史〈パート2〉 (集英社文庫)
そうだったのか!現代史〈パート2〉 (集英社文庫)池上 彰

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posted by beverlyglen2190 at 17:48 | Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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