スーパートランプは、私が自分の中でもっとも大事にしているアーティスト/グループの一つである。曲想はプログレッシブでありポップ。メロディもいいが、なにしろコーラスワークも含めたアレンジメントがすばらしい。使われる楽器もエレピ、アコピ、ギターを中心として、金管、木管、ハーモニカなど幅広い。古きよきミュージカルや映画音楽のような構成や、コミカルな部分を持ちながら、あるときはロマンティックに、あるときはスピード感溢れスリリングに、またあるときはドラマティックな展開をみせる。私が持っており愛聴しているのは、彼らの3rdから6thまでの4枚のアルバムだが、まさしく一曲とも無駄な曲のない、すばらしい楽曲ばかりだ。個性に溢れ、ロック/ポップ界でも孤高の存在といえよう。
私が初めて彼らの曲を聴いたのは、1977年、5thアルバム「Even In The Quietest Moments...」からのシングルカット「Give A Little Bit」だったと思う。使われているギターの感じから、フォークソングみたいな不思議な耳触りの曲だな、このグループはこんな曲をやるのか、と思ったのを覚えている。ちょっと変な感想だが、そのころプログレをよく聴いていた私には、スーパートランプというまだ見ぬ(聞かぬ?)プログレバンドがいるという情報がどこからかインプットされていたのだと思う。そこから連想していたのと全く異なる印象の曲だったので、違和感を抱いたのだ。
しかし、その印象はすぐに変わる。そのころだったか、6thアルバム発売時だったか、愛聴するFMの番組でスーパートランプの特集が組まれた。その番組を録音した60分カセットテープを、その後、文字通り擦り切れるほど聴いたものだ。「School」「Bloody Well Right」「Dreamer」「Crime Of The Century」「Sister Moonshine」「Even In The Quietest Moments」「Babaji」「Fool's Overture」あげればきりがない良曲ばかりだ。
私が持っている4枚のCDはいずれも初めてCD化されたときのものだと思う。私が調べた限りでは、その後1997年にリマスターされたがこれはヨーロッパのみの販売で、ついで2001年にリマスターされたものがアメリカで発売されている。したがって、今回の国内盤再発CDは2001年マスター音源と考えられる。いくらSHM-CD/紙ジャケットでも、同じ音源に2800円も払う気はさらさらないので、その約半額で買える2001年版の輸入盤に買い換えようか、迷っている。それとも、まだ聞いたことのない7thのライブアルバムか1st/2ndを先に買ってみようかな。




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