その例文とは、例えば
This is a pen.
です。この発音は、中学1年の英語の授業では
ディス イズ ア ペン
と習ったと思います。ところが、私が体験したかぎり、ロサンゼルスのほとんどの人がこれを
ディス イズ エイ ペン
と発音していたのです。義務教育で一番最初に習う発音がいきなり間違っているというのは、今後自分はアメリカでやっていけるのか、ととても不安になったことを覚えています。
中学校でこの不定冠詞のaについて習ったのは、基本的にはアと発音するが、続く名詞を強調する場合はエイと発音する、というようなことだったと思います。
対して、ロスで体験したのは、基本的にはエイと発音するが、早くしゃべる場合などは特に強調することなくアと発音する、という感じで、日本で習ったのと全く逆なのです。
もちろん英語にはいろいろあって、イギリス英語とアメリカ英語とは母音の発音がかなり違いますし、アメリカの中でも東部、西部、南部でもずいぶん違います。東部はイギリス英語に近く、母音を硬めに短めに発音しますが、西部では長めに強めに発音するので、文章を聞くとグニャグニャした感じに聞こえます。さらにオーストラリアではエイをアイと発音するなど、母音の発音自体が変化してしまっています。
私が義務教育で習った英語は、イギリス英語ベースだったのかもしれませんが、いまさらイギリス英語もないという気がします。最近の学生たちは、どんな英語を習っているのでしょうか?