このデュオの楽曲は、さわやかなハーモニーとメロディが特徴で、アメリカでは1976年の「秋風の恋 I'd Really Love To See You Tonight」を皮切りに6曲のトップ40ヒットを放っているが、日本ではまた独自の人気を誇っていた。1972年、A&Mからリリースしたセカンドアルバムからのシングルカット「シーモンの涙 Simone」は日本ではヒットしたが、アメリカでは100位にも入っていない。さらに1979年、日本でコーヒーのCMに使われた「キープユアスマイル Keep Your Smile」。この2曲は現在入手できる彼らのCDには(ベスト盤も含めて)収録されていないようである。私が持っている彼らのCDは1980年にBig Treeレーベルからリリースされたベスト盤のCDで、Atlanticがリリースしたかなり古いものだが、それにもこの2曲は入っていない。
1976年はアメリカのチャートを聞き始めたころで、全米第2位まで上がった「秋風の恋 I'd Really Love To See You Tonight」はそのころのヒットチャートを代表する印象深い曲である。いわゆるチャートマニアの利点は、自分の好みにかかわらずさまざまな曲を知ることができる点である。そのころプログレにはまっていた自分も、あのイントロのピアノを聴くと思わず耳を傾けてしまうような魅力が明らかに存在した。そして、それに続く「Nights Are Forever Without You」「It's Sad To Belong」「We'll Never Have To Say Goodbye Again」などの名曲たち。ポップスの時代である70年代中盤から終盤においても、彼らの楽曲は確かな足跡を残している。
ダン・シールズが、先行してヒットを飛ばしたデュオ「シールズ＆クロフツ」のジム・シールズと兄弟であることは有名だが、いとこにはカントリーシンガーのジョニー・ダンカンやトロイ・シールズ、ブラディ・シールズなどがいる。本人もデュオ解散後、AORを経てカントリーに転向し、成功していたという。ジョン・フォードも、昨年だったか、新作を発表したとかいうニュースを聞いた記憶があったので、突然の訃報は本当に残念に思う。
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