これらのディスプレイのほとんどには、DisplayLinkという会社のUSBグラフィックチップが使われているのですが、今まではこのチップがWindowsでしか動作しない、つまりWindows用のデバイスドライバしか供給されていないため、Linuxでは使えませんでした。しかし、この5月16日、DisplayLink社はLinux用ライブラリのソースコードを公開しました。ライセンスはLGPL v2.1だそうですから、これでLinuxユーザもこの手のUSBサブディスプレイを自由に活用できそうです。
これらのUSB接続サブディスプレイでは、画面のデータをCPUで圧縮して、USBを通じて送ります。ディスプレイ側にはDisplayLink社製のUSBグラフィックチップがあり、これで送られてきたデータを元に戻して表示する、というしくみになっているようです。従って、若干のCPUパワーを必要とするようですが、第2のディスプレイを簡単に増設できるということで人気が出てきています。
Linuxで使用できるということになると、今までディスプレイレスで運用していたサーバなどに接続して、ちょっとした情報を表示させる、といった使用法が考えられます。以前書いたように、私はTV録画を自作のLinuxPCで運用しており、これに繋ぐのもいいのですが、別の応用としては、組み込み用途があります。組み込み用途のマシンもディスプレイレスで運用されていることが多いので、運用時にちょっと情報を表示させたいときなどは便利かもしれません。また、私が今考えているのはLANTANKというNASキットです。これはSH-4 CPU上でLinuxが動作するシステムで、I/FとしてはイーサネットとUSBしかありません。今は押入れにしまわれているのですが、Linuxをクリーンインストールして何か遊べないか、とずっと考えていました。これにディスプレイが簡単に接続できるとなれば、アイデアの幅もぐんと広がりそうです。あとはSH-4レベルのCPUでどのくらい表示に負担が掛かるか、ですね。