2009年12月22日

パンクブーブーがM-1グランプリ2009のチャンピオンに

パンクブーブーが12月20日に行われたM-1グランプリ2009を制し第9代チャンピオンとなりました。敗者復活組を含め計9組で行われたファーストステージは、笑い飯、パンクブーブー、NON STYLEの3組が勝ち上がり、ファイナルステージに進みましたが、結果としては、ネタ2本とも安定したレベルを維持したパンクブーブーが評価されたようで、審査員全員が支持するという圧勝という結果となりました。私は個人的には、キャンパスナイトフジでがんばっているナイツとハライチを応援していたのですが、4位と5位に甘んじ、残念でした。

今回がラストチャンスだという触れ込みだった笑い飯は、一本目の「鳥人(とりじん)」というネタで爆笑を呼び、島田紳助が100点満点をつけるなど上々の評価を得ました。にもかかわらず、決勝では最後の30秒を「ち○ぽじ」で押すというシモネタ大暴走で自爆攻撃を敢行、見事に玉砕しました。これまでも笑い飯は数々の語り継がれるネタを生み出してきましたが、今回の「鳥人(とりじん)」もそのラインナップに加わることになるでしょう。
無粋を承知でこのネタの面白さを解説してみます。漫才の1パターンとして、こんなことをやってみたいのでやってみよう、というシチュエーションを設定して、そこから展開していくというものがあります。例えばハリセンボンの今回のネタなら、煮物作りすぎたからお隣りさんに持っていく、など。ここで大抵このシチュエーションは日常的だったり誰もがあこがれるようなものです。でないと、それから展開するボケとの落差がつきにくい、ということもあるでしょう。ところが、「鳥人」では、いきなり「鳥人(とりじん)」というのがやってきたらどうなるか、と設定するのですが、その時点では観客はチンプンカンプン。そこで哲夫がまずやってみると、相方の西田が「だいたいわかったから次俺にやらせてみろや」と応じます。このせりふが観客の気持ちと一致して爆笑。あとは得意のWボケに突入して爆笑の嵐を巻き起こすといった具合です。最初の「頭が鳥で体が人間の形をした鳥人がやってきて子供にプレゼントをくれる」という設定がすでに通常のネタの上をいっているのですから、そこをベースにボケを展開されたらこれはたまりません。爆笑の連続も納得、という素晴らしいネタでした。オール巨人が「今後何回も聞いたらもっと面白くなるかも」と言っていましたが、実際私も録画を再度見てみて、ホントだ、と思いました。決勝戦でもう一回このネタをやっていたら、同じネタ2回で優勝、という新たな伝説ができていたかも知れず、本当に残念です。

敗者復活戦から勝ち上がり決勝まで進んだのは前回覇者NON STYLEでした。CSで生放送されていた敗者復活戦は家事をしながらツラツラ見ていましたが、その中で一番面白かったのがNON STYLEというのは今一つピンと来ませんでしたし、私には去年の方が面白かったように感じました。そこで昨年の録画を引っぱり出してきて頭から見てみましたが、その印象は変わりませんでした。そういった意味でも、芸風のバリエーションという意味でも、NON STYLEの代わりにナイツが勝ち上がっていたらなあ、というのが個人的な感想です。ナイツの出番が1番目でなく後半だったら勝ちあがるチャンスがあったかも、と思うと残念でした。それにしても昨年のM-1は、今見ても手に汗握るようなワクワクドキドキを感じました。敗者復活から勝ち上がったオードリーがその実力を大舞台で遺憾なく発揮して快進撃。それを迎え撃つNON STYLEとナイツも真っ向勝負で、3組のネタが終わったあと、誰が勝つのか予想がつかず観客からざわめきが上がる様子など、生番組としても魅力ある展開となりました。さらにその前年のサンドイッチマンのサクセスストーリーも同様で、M-1グランプリにはこのような、単なる漫才コンクールとしての枠を超えた、ドキュメンタリーとしての魅力も大きいのですが、これはいかんせん演出できるものではなく、その意味で今年のM-1はそこまでの盛り上がりには欠けたと言えるでしょう。

一方、いまや売れっ子といっていい、ハリセンボンと南海キャンディーズは復活の出場となりましたが、この2組は売れっ子ゆえの罠にはまっているように感じました。沢山のテレビ出演などによって、彼ら彼女らに対する見る側の認識は変化し深まっているのですが、当の本人たちはそれに追いついていないのです。春奈さんが実は優しく女らしい人だというイメージはすでに広まっていると思いますが、そんな観客の前でキーキーとうるさい感じの突っ込みを連発すると、観客はイメージのギャップに戸惑ってしまいます。静ちゃんは、映画やドラマに出演し、シャンプーのCMに起用されるなど実績を積み上げ、実際かなり垢抜けてきており、女芸人の集団にいると一人浮いてしまうほどになってきているのですが、その一方で実は悩み多き女性だというイメージが浸透しています。しかしネタでは相変わらず大きくてちょっと変わった女という感じで演じられても、見る側はイメージとの違いに戸惑ったり、逆に痛々しさを感じたりしてしまいます。かといって、イメージの変化を読みすぎても、売れて天狗になった、と言われかねませんし、ここらへんは大変微妙なところです。

ところでちょっと余談を。今年のM-1の放送で、煽りVTRとして予選やバックステージの映像を繋いだものがあったのですが、その中で、昨年のM-1で敗者復活の勝者がオードリーと発表されるのをバックステージのモニターで確認したナイツ塙が思わずガッツポーズをした(ように見えた)場面があり、それを見て思わずグッときてしまいました。オードリーもナイツも吉本所属ではなく、東京でがんばっており、かつ長く売れなかったコンビです。今でこそキャンパスナイトフジでお互い切磋琢磨する姿が見られますが、それ以前から共にシンパシーがあったのでしょうか。オードリー若林がナイツ土屋を評価しているのを聞いたことがあります。今ではともに売れっ子になりました。こういったストーリーも、お笑い好きの大好物なのです。
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posted by beverlyglen2190 at 21:55 | Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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