ハードはアップグレードの必要がありましたが、OSや使用ソフトなどの環境には特に不満はありません。それどころか、4年半にわたり使い続ける中で構築してきた環境なので、なるべくそのままの環境で使い続けたいと思っていました。OSの再インストールや数あるアプリのインストールや再設定となると面倒ですし、ブラウザの使用情報(サイトのID/パスワードやクッキーなど)の移管も重要です。そこで、旧PCのシステムディスク(WinXPを使用しているので、ここではローカルディスク(C))を丸々バックアップし、それを新PCのHDDにコピーすることによって、新PCで旧PCのソフト環境をそのまま使用することができないか試してみました。
ディスクのバックアップソフトには、「Macrium Reflect FREE Edition」というフリーソフトを使ってみました。このソフトには、以下のような特徴があります:
・WinXP実行中でも、OS利用中のファイルも含め、指定したパーティション、ディスクのバックアップが可能
・コピー元ディスクの使用中セクタのみバックアップする機能(インテリジェントセクタコピー)や、バックアップしたイメージファイルの圧縮機能などがある
・バックアップしたイメージファイルをディスクとしてマウントし、イメージファイル内のフォルダ/ファイルをアクセス/読み出し可能
これら以外にも、レスキューCD作成機能やスケジュール指定での自動バックアップ機能などがあり、フリーソフトとしては十分な機能を持っているといえます。
この「Macrium Reflect FREE Edition」を使って、さっそく旧PCのシステムディスクをバックアップしてみました。度重なるHDDクラッシュの経験から、自宅PCでは、システムとデータをなるべく別ディスクまたは別パーティションに分けて運用してきました。このように運用すると、私の場合どのOSでもシステムディスクは50GBもあれば十分です。実際のバックアップファイルは、上記のインテリジェントセクタコピーや圧縮機能により、約15GBになりました。これをデータ用のUSB外付けHDDに保存します。
次に、新PCに使用するHDDを旧PCにUSB接続し、ここにバックアップファイルをリストアする形でコピーします。新PC用のHDDは160GBのものを用意しましたが、将来LinuxなどのOSのインストールに備えて、約50GBの3つのパーティションに分割し、その第1パーティションにリストアしました。このHDDを新PCに組み込んで起動してみました。
すると、BIOSを通って、WinXPをロードするところまで行くのですが、WinXPのアクティベーションを要求する画面が出たところでカーソルが動かなくなり、マウス、キーボード入力も受け付けなくなってハングしました。何回再起動しても、この状況は変わりませんでした。
旧PCと新PCでは、CPU、チップセット、メモリ容量、HDDなど、全て異なるので、WinXPのアクティベーションを要求されるのは当然ですが、その認証を受けた上で実行継続されることを期待していたのですが、そのようにはなりませんでした。WinXPの旧環境が新PCのデバイスを認識できていないのかと思い、旧PCに新PCのデバイスドライバを無理やりインストールし、その上でバックアップ、リストアをやり直して見ましたが、やはり状況は変わりませんでした。
1ヶ月ぐらい試行錯誤しましたが、結局解決することができませんでした。やむなくこの作戦はあきらめて、WinXPをクリーンインストールすることにしました。Firefoxの環境移行は、当該フォルダのコピーで対処しました。また、アプリの再インストールも、レジストリを使用しないものは、バックアップファイルから取り出してコピーして行うことにより、環境を再構築しました。バックアップファイルは、上記のようにソフトによりマウントしてアクセスできますが、必要なたびにソフトを起動するのが面倒なので、第2パーティションにコピーしてしまいました。これにより、旧PCの環境がローカルディスク(D)に再現されたので、参照したいときにいつでもアクセス可能となりました。
新PCに旧PCのソフト環境を丸々再現する、という当初の目的はうまくいきませんでしたが、「Macrium Reflect FREE Edition」というフリーソフトはバックアップ、リストア、バックアップファイルのマウントなど、大活躍してくれました。非常に有用なソフトだと思います。